【書評】面白くて読むのが止まらないビジネス小説『ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か』

読書

ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か

面白くて読むのが止まらないビジネス本に始めて出会ったかも。

『ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か』は、TOC(制約条件の理論)に従って工場の業務改善プロセスを描く小説。問題解決に至るプロセスが実に興味深い。

書籍紹介文

全米で250万部を超えたベストセラー

企業のゴール(目標)とは何か——アメリカ製造業の競争力を復活させた、幻のビジネス小説。TOC(制約条件の理論)の原典。

1984年アメリカで初版発売以来、常にビジネス書のベストセラーの上位にランクされ、全米の大手企業、ビジネススクールの多くで必読書とされ、数千に及ぶ企業や200以上の大学が採用。アメリカの生産管理やサプライチェーン・マネジメントに多大な影響を与えた。
引用元:http://www.diamond.co.jp/_itemcontents/0201_biz/42040-8.html

目次

  1. 突然の閉鎖通告
  2. 恩師との邂逅
  3. 亀裂
  4. ハイキング
  5. ハービーを探せ
  6. つかの間の祝杯
  7. 報告書
  8. 新たな尺度

本文ハイライト

『スループットとは、販売を通じてお金を作り出す割合のことだ』

『生産的であるということは、自己の目標と照らし合わせて何かを達成したということなんだよ。』

『生産性とは目標に向かって会社を近づける、その行為そのものだ。会社の目標に少しでも会社を近づけることのできる行為は、すべて生産的なんだよ。その反対に目標から遠ざける行為は非生産的だ。』

『指標は三つあって、それぞれ『スループット』、『在庫』、『業務費用』と呼ぶことにした。在庫とは完成品だけでなく、仕掛品や原材料、作りかけの部品なんかも含まれる。いわゆるインベントリーというやつだ』

『スループットは、入ってくるお金。在庫は、現在製造プロセスの中に溜まっているお金。業務費用は、スループットを実現するために支払わなければいけないお金。入ってくるお金、中に溜まっているお金、それから出ていくお金、それぞれに指標があるわけです』

書評

いやーおもしろかった!

問題山積みの工場が、工場長とその仲間達によって改善されていく様子にグイグイ引き込まれる。恩師のアドバイスも直接回答を示すモノじゃなく、ポイントだけ伝える形式で謎解きっぽくなってるのが良かった。奥さんや子ども達との絡みも適度にスパイスになっていて良かったです。

小説の舞台が工場なので、その問題解決手法は直接的には製造業に係わるものだけど、考え方としては各方面に応用が利くなーと言うのも感じました。たとえばソフトウェア設計でも、ハードウェア資源や時間的に制限のある環境なら、TOCによる改善は効果的なアプローチになるんじゃないかな?

250万部売れたというのも納得の内容なので、いわゆるビジネスパーソンなら読んどいて損は無いと思います。オススメ!