自作サブウーファーの音圧特性測定結果を公開

サブウーハー,自作スピーカー

自作サブウーハー、ニアフィールドでの音圧特性測定結果

USBオーディオ・インターフェースのローランド UA-5と、コンデンサーマイクのBEHRINGER ECM8000、それとスピーカー特性測定ソフトウェアのSpeaker Workshopを使って、自作サブウーハーの音圧特性をニアフィールドで測定した結果を貼り付けておくよ。

結論から言うと、総工費3万円の自作品が、定価25万円の高級品に負けない特性を持っていると言うコトになりました。25万円相当!?とビックリしちゃうなら、「測定結果考察」だけでもお読みいただけたらと思います。

Speaker Workshopの使い方などは『Daredevil 2.0 | SW unofficial Japanese tutorial.』を参考にさせてもらいました。全く同じ環境では無かったけど、とても参考になったよ。

以下、測定方法や測定結果に関する考察が続きますので、興味がない奴はお帰り遊ばすと宜しくてよ。

UA-5のキャリブレーション

UA-5キャリブレーション結果

まずUA-5のキャリブレーションは、UA-5のRCA IN/OUTを手持ちのRCA分岐ケーブルで接続しました。具体的にはRCAの左出力チャンネルに白ピンを繋ぎ、入力の左右にもY分岐した白ピンを接続します。

接続後、Speaker Workshopのメニューから「Options」→「Calibrate」を開き、「Channel Difference」の「Test」を実行します。最初は入力レベルが適切ではないと思うので、VUメーターの値が25K前後になるようにUA-5のボリュームを調整します。

うまく測定できると、上記画像のような結果が得られるはずです。測ってみてビックリしたけど、レベルはもちろん位相までピッタリ一致。この程度のオーディオインタフェースでも、USB接続なら十分な特性が得られるってコトなのかな?実は調整ミスじゃないかとビクビクしてるんだけど、うまく行ったと仮定して先に進みます。

ECM8000のキャリブレーション

Daredevil 2.0 | SWチュートリアル邦訳 第一回後編」の真ん中あたりに「ECM8000用の補正表(Lzh圧縮済み)」としてキャリブレーションファイルが掲載されています。

上記ファイルをダウンロード後、「Resource」→「Import」でファイルインポートし、「Options」→「Calibrate」の「Microphone Response」から「ecm8000.frd」を選択してください。

UA-5での測定用接続方法

実際の測定方法は「Daredevil 2.0 | SWチュートリアル邦訳 第2回」を読めば分かると思います。ここではUA-5を用いる場合の差分だけメモしておきます。

ECM8000はマイク端子の右チャネルに接続します。ファンタム電源をオンにすること、録音ボリュームを十分に上げることを忘れないでください。

上記接続に加え、リファレンス特性を得るために、UA-5のRCA IN/OUTの左チャネルを接続します。なんて言ってリファレンス接続はしたけれど、マイク端子による測定時にRCA接続のリファレンスに意味があるのか、あまり自信がありません。まーでも厳密なリファレンスにはならないかも知れないけど、何もしないよりマシなんじゃないのかな?

その後、「Options」→「Preferences」→「Measurements」の「Sample Size」と「Repeat Count」を良い感じに設定します。おいらは測定結果が落ち着くまでは64Kバッファを1回で測定し、それっぽい値が取れるようになったらフルバッファの3回測定にしていました。

続いて「Resource」→「New」→「Driver」でドライバ項目を追加後、ドライバを選択して「Measure」→「Frequency response」→「Nearfield」で測定を行います。

測定結果考察

自作サブウーハー、ニアフィールドでの音圧特性測定結果

まず500Hzより上の測定結果は、見られたモンじゃないのでカットしました。AVアンプのサブウーハー端子に接続してるから、120Hz以下が出ていれば十分なはずです。加えてピークが0dBになるようにゲタを履かせています。音圧特性が見たいだけだから、絶対値は意味無いものね。

以上を踏まえ、改めて120Hz以下に着目すると、75Hz付近に多少のピークがあり、それ以下の低域は綺麗なダラ下がりになっています。密閉型にしたから分かりやすい波形だね~。

±3dBで見ると40Hz-120Hzぐらいまで出てるし、±6dBまで許容すると30Hz-120Hzぐらいまで出ているようです。これならサブウーハーとして、十分な性能を得られていると言って間違いないかと。

B&W PV1の周波数特性

B&W Pv1 – Subwoofer Tests
参考までに定価25万円のB&W製サブウーハーPV1の測定結果を載せているサイトがあったので、拾ってきたデータを張っておきます。

これを見る限り、25万円と比べても大きく負けているとは思えないな。音圧だけで比較すれば25万円相当を自作したってコトか。スゲーな俺。

とは言え高級な25cmユニットを使っていることを考えると、もうちょっと低音が出てくれるんじゃないかと妄想。いまは内部に吸音材を入れていないので、ギュギュッと詰めるともう少し低域が伸びるかも?次の夏休みあたりに実験してみるか。

測定後の感想

ケーブルを含めた機材を揃えるのが大変だったけど、いざ測定を始めると意外と簡単にできました。

ニアフィールドの測定だと、ユニット特性しか分からないんじゃないかと思うけど、密閉型ならニアフィールドで十分だよね。それに実測でユニット特性を把握できるようになれば、マルチウェイのネットワーク設計に役立つはず。この経験は、構想中の2way製作で役立つんじゃないかと思っています。

Speaker Workshopなら、スイープ信号ではなくM系列ノイズ(MLS)を使用することや、録音機器やマイクを校正できるのもソレっぽくて良いよね。

ぶっちゃけWaveGeneの連続スイープを、WaveSpectraで測定しても似たような波形は得られると思うけど、信頼性や耐ノイズ性能で言うとMLSの複数回測定は良い方法だと思う。ちょっと苦労してSpeaker Workshopの使い方をマスターする甲斐はあると思うよ。

自作サブウーハーのスペック

参考までに自作サブウーハーのスペック紹介をば。

使用ユニットはDaytonのRSS265HF-4。送料込みで22,000円ぐらい。

エンクロージャーはMDF18mmの910×910サイズを東急ハンズで購入し、その場でカットもお願いして4千円程度。

パワーアンプは「VIDEO&AUDIO – 20Wアンプ(モノラル)キット – aitendo@shopping~楽しい電子工作を提案する」で買った900円の奴。ACアダプタや箱も入れて3千円ぐらい。

その他、ネジやターミナルの雑費を含めて総工費3万円ちょいってトコロかな?これで25万円相当の音が出るんだから、自作スピーカーの素晴らしさが分かっていただけるんじゃないかと思います。

と言うわけで積極的に同士募集中!集え若人よ!