マンションの南にマンション

2003年04月29日(火) 07時50分
マンションの南にマンション、続けて4棟目 さいたま(朝日新聞)

マンションの南側に至近距離で新たなマンションが建つ度に、「眺望と日照が奪われる」と反対運動が繰り返される。こんな「不満の連鎖」が続くさいたま市浦和区の一角で先月末、南側4棟目となるマンションに建築確認が下り、3度目の騒動が持ち上がっている。

「高層ビル建設絶対反対」「環境悪化は許さない」

JR浦和駅西口の開発規制が緩い商業地域。ドミノのように並び立つマンションの3棟目のベランダに、14階建ての自らの姿を否定するような横断幕がはためいている。

1棟目が建ったのは80年。2棟目は18年後、約5メートル南に誕生。3棟目は昨春、その約10メートル南に完成した。1棟目から順に地上7、12、14階建てだ。94、97年の建築基準法改正で、廊下などの共用部分を容積率に算入する必要がなくなったため、2、3棟目の巨大化に拍車がかかった。

駅から徒歩10分。商店街にも近い一等地だ。けれど1、2棟目の住民は、窓の外の「壁」をにらんで嘆いてきた。

「日があたらず、風すら通らない。こんなに密着して建ってるところがほかにありますか」

16年前から1棟目に暮らす主婦は言う。2棟目が建つ時には、ほかの住民とビラまきなどの反対運動に取り組んだ。

2棟目の住民は3棟目の売り主である大手の建築業者を相手取り建設差し止めを求めて裁判所に仮処分を申請。01年秋、業者が補償金を支払うことや、3棟目の北側の通路に目隠しを設けることなどで和解した。

4棟目は、さらに南に約10メートル離れた駐車場に建つ。5月に着工し、9階建ての賃貸用ワンルームマンションに変わる。

そして今、3棟目の住民が、「生活受忍限度を守る会」を結成、4棟目の建設反対を訴える。

住民から相談を受けたさいたま市は「違法な建物でない限り、行政は口出しできない」と言い、「建主側と十分話し合うよう」と助言した。当初計画から1階減ったが、譲歩もそこまでだ。

「後ろのマンションに比べれば精いっぱい配慮しているのだが」と売主側。「これは商売なんだ。われわれも生活がかかっている」

1棟目の主婦は言う。

「みんな勝手なことばかり言っている」

高層建築による住環境破壊に警鐘を鳴らす五十嵐敬喜・法政大教授は「規制緩和一辺倒の都市政策の典型的な縮図だ」と指摘している。

(04/29 07:40)

なんだかすげぇな。3棟目の住民が反対運動起こしてるのも笑えるし、1棟目の「みんな勝手なことばかり言っている」 ってのも面白い。いくら反対運動やっても、建設が中止されることは無いだろうし、諦めるしかないんだろうねぇ。

ソース:マンションの南にマンション、続けて4棟目 さいたま