日本一高い山、富士山に登ってきた(2日目)

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富士山頂を目指す登頂記の2日目。また無駄に長いので、興味がないヤツは帰れ。

深夜の登山者群

21時なんて早い時間に布団に入り、しかもセンベイ布団一枚に3人が横になる狭苦しい状況で、普通に寝られちゃう俺様の無頓着ぶりに乾杯。いやそりゃグッスリとは行かなかったけど、問題のないレベルで睡眠時間を確保できたのは良かった。しっかりと耳栓を用意してきたのが勝利の鍵だな。

就寝中にお腹の調子がアレで小屋の外にあるトイレに走ったんだけど、深夜1時過ぎだってのに人の波が出来ていたのが印象的。下を見ると登山道に沿ってヘッドランプの明かりが連なっていて、百鬼夜行のような不思議な光景を作り出していました。

携帯に起こされ4時に活動開始。5時の日の出に併せて登山再開の予定だったけど、生憎の雨模様で小屋から出られず。小屋に避難してくる登山客に話を聞くと「暴風、暴雨、極寒。しかも道が渋滞していて前に進めない。山頂付近まで行ったが諦めた」らしい。そりゃ心が折れて出戻ってくるわな。

そんな感じで行くも適わず戻るも適わず、グダグダと7時ぐらいまで様子見。その間も次々と寒さにやられた登山客が逃げ込んできて、小屋内は死屍累々の有様。濡れた衣装を着ていられず、さりとて替えの衣装もない女性達が、仕方なく下着姿で倒れ込むのを何人も見たよ。しっかり雨対策をしてないと、こんな風になっちゃうんだな…

暴風、暴雨は止む気配を見せず、他の宿泊客が下山を決める中、我がチームはリーダーの決断で山頂へ向かうことに。義兄曰く「肌に接する衣類が濡れなければ大丈夫」だそうで、しっかりと防水対策を施せば問題ないとの判断。オイラの手袋が普通の軍手なのが不安の種だったけど、同行女性が機転を利かせて軍手の上にビニール袋を被せてくれた。見た目はドラえもんの手になっちゃうけど、雨に濡れないし防寒にもなるしのグッドアイディアで大変助かりました。そんな感じで完璧防水状態にして、7時過ぎに山頂へ侵攻開始。

確かに風雨は激しいけど、思っていたよりは足を進められる。御来光タイムが終わって渋滞も解消されたようで、先が詰まることもなく着実に進行。少しずつ、少しずつ足を進めて、8時過ぎには山頂(3720m)に到着しました!

だがしかし。山頂とは言えど最も高い場所ではないようで。お鉢巡りなるルートを通って剣ヶ峰(3776m)に行かないと、最高峰には辿り着けないとのこと。強風と疲労で休憩を選択するメンバーもいましたが、ここで休んだら「日本最高地点に行ったことがある男」と言えないじゃないですか!足がカクカク、息も切れ切れでしたが再度の移動を開始。

相変わらずの強風で本気で飛ばされ掛かったり、濃すぎる霧と岩だらけの景色をみて「三途の川」や「サイレントヒル」を連想したり、遠くから大男が来る!?と思ったらブロッケン現象だったりと、普段なら楽しみまくりのシチュエーションが連発。

だけど疲れのピークが来たのかエネルギーが切れたのか、坂道を登るのが本気でつらくて全く楽しめない。あとで日記のネタになってるから良いけど、周りの景色が何も見えないで暴風暴雨の中をさまよい歩いてるんだから、正常な人間なら何が楽しいのか理解に苦しむシチュエーションだよな。

「もうやめて!ひでとのライフはゼロよ!」の空耳が聞こえた辺りで何とか剣ヶ峰に到着。40分ぐらいかかったかな?富士山測候所や日本で最も高い標高にある二等三角点、そして3776mの碑と撮影スポット満載なんだけど、暴雨の中でカメラを出す勇気もなく。「…ここが一番高いのか…」ぐらいのローテンションで、15分の休憩を取っただけで久須志神社へ引き返す体たらく。何とか写真だけでも撮れば良かったな~。

剣ヶ峰から久須志神社は下り気味だったので、30分ぐらいで到着。人の少なさで山小屋も閉まっている状況なので、休憩もせずに下山することに。下山開始は9時ぐらいだったかな?

下山は思っていた以上にきつかった。八合目辺りまでは鼻歌交じりで降りられたモノの、下り坂の負荷で徐々に足が痛みだす。七合目辺りで思うように足が動かなくなり、同行者にはドンドン引き離され…ついにはロクに歩けなくなりギブアップを宣言。

そうは言っても歩くしかないので、義兄に荷物を持ってもらいの、下山速度も下げてもらいの、頻繁に休憩を入れてもらいの、至れり尽せりのフルサポートコースで下山継続。ビリー隊長の「苦しい時こそ頑張る時だ」を思い出しつつ、歯を食いしばって降りてきたよ。

ボロボロになりながらだけど、なんとか13時半に五合目到着。無事に下山を完了しました!さっそくソフトクリームでも食べながら足を休め、絵葉書を書いたり土産を買ったりして五合目を満喫!なんて思ってたのに、「バスが来てるから早く!」とせかされ、休むまもなく2合目駐車場へ…スケジュールが遅れ気味だったので仕方が無いけど、みやげ物やを見られなかったのは残念です…

下山後は近場の温泉で汗を流し、高速SAで遅めの昼飯を取りつつ、一路我が家へ。多少渋滞に巻き込まれましたが、無事に18時半に自宅到着しました。

天候には恵まれず、ろくに観光も出来なかったのは残念ですが、基本的には楽しい経験でした。何よりこれからは、富士の頂きを見上げる度に「あそこに行ったんだ!」と思い出せるわけで、それだけで気分が良いってモンですよ :-)

それと全然写真を撮れなかったのが心残りなので、また数年後に遊びに行こうと思います。今度行くときは、晴れてくれるといいな~。

参考リンク:お鉢巡り [あっぱれ!富士登山]