3.2 偏向

テレビカメラの中の電気像を走査したり、ブラウン管の蛍光面を走査してラスターを作るには、電子ビームの進行方向を静電的、磁気的な方法によって適切に動かす必要があります。この事を偏向と呼びます。

電子ビームは電界および磁界の中を通るとき、その影響を受けて進行方向が変わります。そこで電界および磁界を作って、その強さまたは方向を変えることによって電子ビームの方向を変化させ、それに応じて走査面上での走査点の位置を自由に制御することが可能になります。電子ビームを水平方向に偏向させることを水平偏向、垂直方向に変更させることを垂直偏向と言います。

ブラウン管の電子ビームを変更させるには、水平および垂直偏向のためのコイルを用意し、コイルに電流を流して電磁的に行います。テレビカメラでは電磁的に行うものと静電的に行うものと両方式が使われているそうです。