斜め45度配線のすごさを解説

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温故知新というか、技術って面白いと思わせるニュース。具体的には LSI や基板上で斜め45度の配線が出来るようになった、ただそれだけ。これだけで、処理速度が上がってチップ面積が小さくなる。すごい効果だよね。

一見単純そうな「斜め45度」が、なぜ今まで出来なかったかというと、クリアランスと呼ばれる配線間の隙間が、自動配線ソフト(ルーター)で計算できなかったからなんです。単純に縦、横だけの配線ならば簡単に計算が出来るんですが、斜めが入るとそうは行きません。

たとえば、縦横が1cmの正方形に斜めに配線します。この配線の長さはルート2になります。ルート2は無理数ですから、計算機上では正しく扱えません。この配線上の任意の一転の座標を求めることも出来ません。座標が求まらないと、隣の線との距離も計算できないのです。本当に斜め配線が必要な個所は人手で修正を掛けていました。

ところで、ルーターが使われるようになる以前、配線は全て職人さんの手書きでした。職人さんは、ササッと斜め線を引きます。隣の配線との間なんて目分量で分かりますよね?だから普通に使われていた技術なんです。一昔前の基板を見ると普通に斜め線が大量に使われてます。そのほうが効率的に、短い配線を書けますからね。

単純に斜めに線を引くだけでも、今のコンピューターじゃすごい技術なんですよ。

ネタ元:ISSCC:東芝が「斜め45度配線」チップを披露、設計期間を1/2以下に